個人能力で広告代理店の中間マージンカットに成功!TOEIC対策のLePlus
こんにちは。自分の好きな事(インテリア、デザイン、一眼レフカメラ)を仕事にしている崇島亮です。
僕は会社を辞めて現在はフリーランスとして好きな事だけに絞って仕事をしています。
今回は自分の好きな事を集約したような仕事が完成したので、折角だから詳しく見てもらおうと思います。
TOEIC対策のトレーニングジム、LePlus!
もくじ
1、まずは案件を理解して把握するところから
始まりはフリーランスの知り合いから、仕事の相談を受けました。
英会話スクールを運営する会社の新事業としてエリートに向けた短期集中「TOEIC対策のトレーニングジム」を作りたいとの事でした。入会金や月会費もそこそこ取るビジネスモデルのため、内装も含めたブランディングデザインにもこだわっていきたいという話を頂きました。
今回のミッションと僕が提供出来る価値
インテリアデザイン以外にも完成した内装を撮影するカメラマン、ロゴ、パンフレット、名刺、封筒、看板などのグラフィックデザインなど内装&販促ツールをまとめて担当させて頂く事になりました。
インテリア、グラフィックデザイン、撮影に加え、ウェブデザインを追加した4つの仕事をまとめて発注すると多くのメリットが出来ます。(今回、WEBサイトは別の方に発注されています)
メリットは以下の通りです。
『デザインテイストのブレが起きない』
『軌道修正のコストが低い』
『中間マージンを削減できる』
『スピーティな対応が可能』
その辺りの実例を見てもらおうと思います。(長いけど写真中心なのでサクッと見てね!)
2、物件探しへ
今回の案件は恵比寿駅徒歩5分圏内で、人通りが多い魅力的な立地という場所のブランディングも含めたものでした。
まずは条件を決めて物件探しを不動産業者に手配します。そして候補となる物件をピックアップして4件ほど内覧に行くことになりました。
一件目は立地は悪くないものの、丸い柱があったり特殊な形状でNG。
単純に使いづらい。
二件目は完全にスケルトン(何も無い状態)でイメージが湧きにくいが立地や広さは良かった。
何も無いから少しコストがかかりそう。
三件目は元銀行の支店跡地で、内容はなかなか良かったのだが夜と土日の出入りに条件があったためNG。
四件目はとても広いが駅から少し離れていて、しかも隣りにビルが建つとの事で明るさに懸念がありNG。
どこかオフィスっぽい作りも気になりました。
3、物件が確定、設計とデザインへ
さらに探す選択肢もありましたが、消去法で二件目の物件の7Fに決まりました。
理由は駅徒歩2分の好立地、広さもOKで細長い形状でしたが使い方もイメージ出来たので。
そして、物件の採寸をして大体のイメージができるように設計図を作って打ち合わせをしていきます。
こんな細長い形状でしたが、英語のトレーニングジムという事なので奥の細いスペースをトレーニング、エレベーター前のスペースは受付などスタッフがいるエリアに分けて使うのに意外と好都合でした。
そして、図面からデザインCGを作ってプロジェクトチームのイメージを共有します。
エレベーターから出てきた時のイメージ。まずは「すげえな!」と印象づけるインパクトを。
奥のエリアは英語トレーニングに集中が出来るスペースに。
4、施工開始
この物件はスケルトン状態のため壁面も全てザラザラした状態だったので、壁を作る必要がありました。
壁の白い部分がザラついている部分です。
こんな感じで壁を作っていきます。
完成まで約一ヶ月ほどかかるスケジュールで動きます。
5、同時進行でロゴデザイン制作
エリート向けの高級感を出したいとの事で内装デザインからスタートしましたが、同時に外看板やエントランスのロゴの作成もする必要があります。
まずはコンセプトを理解してターゲット層へ向けたデザイン案を出していきます。
デザイン案はとりあえず9種類作成。一旦は6番のデザインに落ち着きました。
当初、このサービスの名称はEnglish Gym(イングリッシュジム)で進めていましたが、途中で商標登録がされている事が判明。
サービス名を変えざるを得ないことに!
もう一度フリダシに戻り、サービス名を考えてもらう事に。
そして、決まった名称が
【English GYM LePlus】
この名称でデザイン提案をもう一度!
デザインパターンは8種類。左上のデザインに決まりましたが、またやり直しになっては困りものなので、今度は合成イメージも合わせて提案。
イメージをして頂きましたが、今度は飲食店っぽい(バーとか)感じがするという事で、別の提案もする事にしました。
周囲には飲食店が多い地域なのでゴールドのデザインがギラギラした飲食店みたいで、勘違いして酔っぱらいが入室してくるかもしれないので、もう少し落ち着いて高級感のあるカッパー(銅)を一部に入れて調整することに。
白をベースに飲食店っぽく無さを意識したデザイン案を追加。
左下のデザインに決まりブラッシュアップする流れに。
完成したロゴがコチラ。
辞書のデザインをもっとシンプルに抽象化して表現。ようやくこちらに決定しました!
この高級感のあるフォント、実は『GUCCI』と同じなんです。(同じ字が無いから分かりづらい笑)
6、店外看板、パンフレット、名刺や封筒が完成
まずは出来上がったロゴを店外看板に設置されました。
ビルの横にも。
12ページもののパンフレットも完成。中で使ってる写真の撮影もしています。
名刺のデザインも決定&完成!
一カ所に銅箔を入れて高級な感じになった!
これはなかなか良い仕上りに!
封筒は2種類でこれまた良い感じに仕上がっています。
7、店内グラフィック作成
エレベーター入り口地面に『Welcome!』、トイレにピクトグラム(男女マーク)床に『LADIES』『GENTLEMAN』、トレーニングエリアは『TRAINING AREA』の文字のグラフィックを入れる事に。
ここでもデザイン提案を!
入り口の床に入れるデザインは1番目のものになりました。(時間がなく素早く決定)
そして入れる場所が決まりました。
こんな感じです。
トイレのピクトグラムのデザイン案もいろいろ出します。
こちらは5番目のデザインに決定しました。
トイレのドアの壁に貼られるものです。
仕上りはこんな感じ。女性用男性用をアイコンの二人が教えてくれます。
8、いよいよ内装が完成
約1ヶ月間の工事を経て完成した内装をビフォアアフターを交えてインテリアに大切なポイントを見てみましょう。
奥行き感を損なわない
この物件の良いところの一つは奥行きが深いところです。
奥行きが深いと見る部分が多く複雑性が増します。奥の壁にポイントを入れてあげれば絵になる空間が作れると判断しました。
あくまでシンプルに、でも奥の壁のステンシルでポイントを作りました。
シンプルに。でも無骨な部分を残して
スケルトンの状態なので無骨さがあります。高級感を出すためにはもう少し整った部分が必要になります。
整える部分は人に近い部分が良いので、壁と床を直線的なデザインに造作しました。
単調な空間にならないように天井の無骨な部分はあえて利用しています。
殺風景だった完成前。
シンプルに直線的な空間にインテリアグリーンを。
床のグラフィックも利いています。が、見づらいので他の写真も。
エレベーターが開くとWelcome! FEEL AT HOMEの文字が。
訳すと『ようこそ!くつろいで行ってね』という意味。
エレベーターから出たらこんな感じ。
なかなかインパクトがあります!
主役となる場所を決める
インテリアで大事なのはコーナーを作る事だと思います。
例えば今回ならば入り口に絵になるコーナーを作っています。
何も無い空間から、、
この通り。かなり良い感じに仕上がりました。
この空間の8名も座る事が出来る大テーブルはどこから見ても絵になるボリュームです。
正面からでも
テーブルと並行に見るととても絵になります。
絵になるポイントは大きさのボリュームと、80cm以上あるアンティークのランプの組み合わせです。
ここまで存在感のある照明はなかなか無いので、その分、絵力が生まれます。
規則性を持たせる安定感に不規則を作る
このコーナーは自習をするスペースで、生徒さんが毎回同じコンディションで勉強出来るように、同じ状況を8席ほど設けています。
そのため規則的な空間を作る必要がありました。規則的にものが並んでいるとキレイに見えますが、その反面、単調な印象になりやすくなります。
そこに少しの不規則性を付け加えるとその空間は一気にシマります。ワントーンコーディネートに靴の色を外すような『差し色効果』が生まれるのです。
インテリアグリーンはその役割をしてくれます。
まとめ
今回の案件は元々10年以上趣味だったインテリア、グラフィックデザイン、一眼レフカメラの能力をフル活用しています。
得意な事の組み合わせで優位性を最大限に発揮できることと、コンセプトのスタートから関われているため、このプロジェクトを自分事のように考えて行動しているので、デザインを部分的に依頼される時よりもデザインで得られる効果が高くなるのです。
最初に書いたメリットをおさらいすると、
デザインテイストの軸がブレない
→普通だったら『インテリア』『グラフィックデザイン』『ウェブデザイン』『撮影』をバラバラの相手に発注しなくてはいけないので、テイストにもバラつきが必ず出てくるところを、一人でコントロール出来るのでデザインテイストがブレる事が無くなります。
デザインテイストのブレが無くなると、言いたい内容を正確に伝える事が出来るので集客などの導線も作りやすくなる。
軌道修正のコストが低い
→発注者(クライアント側)はそれぞれの担当者に対してコンセプトから伝える必要がありますが、特に新規事業の場合はゼロからのスタートなので、進めながら変化しながら輪郭が見えてくる事が多く、制作するデザイナーは臨機応変に対応する事が大事ですが、複数のデザイナーがいるとそれぞれの臨機応変なイメージが生まれ、進行していた各制作物の方向性の軌道修正をすると大幅なやり直しや修正作業が生まれます。デザインは発注者の問題での修正だったりするとボツになったデザイン費を請求される事になります。
更に、バラバラに進行してしまうと軌道修正するには知識がないと各部門への指示が出来ないorうまく伝わらないのですが、それが1カ所であれば軌道修正のディレクション業務も正確に行う事が出来る。
中間マージンの削減
→通常『インテリア』『グラフィックデザイン』『ウェブデザイン』『撮影』は別々の相手に依頼するので、それぞれに支払うマージン(ディレクション費用など数十万円)が1/4で済むので、費用も抑える事が可能。
スピーディーに動ける
→それぞれの業務はバラバラだが、全てが関連する事なので、グラフィックを作るにもインテリアのテーマの資料を作ったり、ウェブデザイナーに写真を送ったり、撮影ではグラフィックデザイナーやウェブデザイナーが欲しい写真の指示を貰わなければいけなかったりと、いちいち面倒な事を簡単な説明とニュアンスなどで伝える事が出来る。とても楽だし、それぞれの時間の短縮にもなる。
っとまあ、これだけのメリットがクライアントにあるわけですが、本来この全てをコントロールするのが広告代理店業務なのです。
通常の流れは図の左のような仕組みで、やり取りの回数がとても多い事が分かります。僕がやろうとしているのは図の右側で、そのやり取りのほとんどをカットすることです。簡単に言えば広告代理店に払う費用と時間を丸々削減しながらクオリティを上げることが可能にさせようというわけです!
ムダを省き予算を削減しながらも正当な仕事をすることがお互いにとってのメリットになります。
最後に
いきなり『やって良かった』と思える出来事がありました。
LePlusオープンは12月だそうですが、まだ11月なのに看板を見てお客さんが来たと聞いてとても嬉しかった。(写真はイメージです)