50万以内の費用で出来るデザイン事務所のリノベーション事例
僕の仕事の一つであるインテリアですが、個人経営のお店や個人事務所を対象に内装を作ることも多いのです。
独立されたばかりの個人の方は最初なので予算が少ないものの、仕事がしやすい環境は必要だし、打ち合わせを行うためにお客さんを呼んでも良いように最低限は内装もこだわりたいところ。
今回はその辺りを解決した、デザイン事務所から独立して個人事務所を構えたデザイナーさん(同業)の内装を行いましたので一部始終をご覧くださいませ。
50万以内の費用で出来るデザイン事務所のリノベーション事例
もくじ
物件の採寸をする
借りたての状態はこんな感じ。
普通の賃貸マンションに天井照明の蛍光灯が多くて事務所っぽい印象。
貸事務所で約20㎡。だいたいワンルームマンションくらいの大きさですが、事務所なのでお風呂が無い分だけ気持ち広さを感じます。
置ける家具などを決めるためにスペースを測ります。
レイアウトプランを提案
測ったサイズから簡易的な図面を作ります。そしてレイアウト案を出して選んでもらい購入する家具を決めます。
そして決まったのがこちら。1個目に提案したほうにきまりました。
予算が少ないのでIKEAなど比較的安価なアイテムを使用する予定ですが、ポイントは安いものを中心に選ばないこと。
まずは主役となる家具を選んでから足りない部分を補完するように安価なアイテムを使うと世界観をうまく調整できます。(そこはセンスにも寄るかもしれませんが)
壁紙を剥がしてコンクリートの壁に
壁をコンコンとノックしてみると、硬いコンクリートに直接壁紙を貼っていることが分かったので、変に壁紙を変えるよりも剥がしてコンクリート打ちっ放し的な感じにしようというプランになりました。(写真は手伝いに行った時の一枚)
部屋全体の印象を決定する要素として重要なのが床と壁。リノベーションではその2点に気をつけて(お金をかけて)考えると仕上がりのクオリティが変わってきます。
となると、今回は壁紙を張り替えるために壁紙業者さんにお願いする費用を捻出するよりも、安価でもクオリティは維持したかったので壁紙を自分で剥がしてそのままのコンクリートに。
この場所を転居するときに壁紙を貼るだけの状態にしておいて原状回復のタイミングで費用がかかるようにしました。
そうすれば、敷金を使って対応できるので初期投資は抑えられる。という出費を後にズラす作戦です。
壁紙を剥がすのに必要なのは、スチーマー(5,000円)とヘラ(500円くらい)のみ。
まあまあ大変ですが、自分でやれば格段に費用を減らすことができます。
壁一面をやった後の状態。
仕事の合間にセルフでやってもらっていたのですが、ご本人も無駄に上達して壁剥がしスキルが上がっていましたw
パーテーションをDIYで作る
そして、また別日。
この日は低予算の定番、D.I.YことDo it yourselfでパーテーションを制作することにしました。(とても簡易)
有孔ボードというベニア板に穴の空いた板と、2×4(ツーバイフォー)材を木ネジでとめるだけのようなもの。とても簡単。
こんな感じで、2本の木材を有孔ボードで挟みます。
上から2個目の穴に銀色のネジが2本入っているのが分かりますか?これで止めています。
写ってないけど脚は棚用のL字金具を付けています。(説明しづらい。。)
分かりづらいから図解つくってみた。(無駄に時間使ってしまってる)
意外とホームセンターでも黒の有孔ボードが見つからなかったので、こういう時はネットでゲットする。
床は安価で使えるタイルカーペット
先ほども言ったのですが、インテリアで大事なのは床と壁。
床ももちろん張り替えることはできませんので、出来るとしたらカーペットを全面に貼って変えるしかない!ということで、タイルカーペットを使うことに。
が、しかしタイルカーペットって普通オフィス感が出やすいアイテムなのですが、それは微妙に柄が入っているカラーものだと分かりました。
↑なんか、こういうやつ。
そもそも、なんでこれがオフィスに使われてるんだろう。。と思いましたが、恐らく多数の人が使うオフィスなのにヒントがありそうだなぁと思いピーンときました。
この色々柄が入っているのはシミや汚れが目立たないからだ!と。
ということは、この柄っぽいタイルカーペットではなく一色でさらにブラックとかにすればオフィス感がなくせるはず!という分析のもと黒タイルカーペットに決まりました。
ブラックのタイルカーペットを70枚ほど購入。
家具を選択
壁と床が出来たところで、あとは家具を入れるだけ。
家具は比較的高めの良いものを
こんな費用の構成で購入することにしました。ポイントは奥のラウンジスペース(かっこいい言い方w)にお金をかけるというところ。
理由は、このインテリアで一番印象に残るからです。人が見たときに注目した部分がショボイとダサい部屋に見えてしまいます。
安価に済ませたのは照明器具
安価に済ませたのは照明でした。
なぜかというと、光のバリエーションを増やしたかったからです。(数が欲しい)
地面に置く低い照明、背の高いフロアランプ、天井から吊るすもの、デスク用、間接照明、などなど。
完成!
完成したインテリアがこちら。(コードが見えてるのは調整前だったためスルーしてください)
本棚は大きめ
デザイナーさんは資料がとてもたくさん溜まるので、大きめな本棚を選びました。
この時は資料の一部しか持ってきていなかったのでこんな感じ。
なかなか良い感じのラックはイタリア製のMETALSYSTEMというラック。これはレトロな感じでめちゃくちゃカッコいい。
こういうのはちょっと普通のお宅感が出て微妙。。
今回のメタルシステムなら雰囲気がある。2台購入すれば3台分設置できる。
低いものもあるので組み合わせもできたりする。
大容量なのに30,000円程度で購入できるので、かなりオススメのアイテムです。(テンションの上がる選択を!)
ワークスペース
ワークスペースのテーブルはIKEAですが、椅子にイームズのアルミナムグループチェアという名作中の名作にしました。(コードは隠す前)
これは前から見ても、横から見ても、背中から見ても美しいフォルム!
世の中のPC用のチェアは10,000円アンダーのダサいやつ。ここを手を抜くと全部アウトになっちゃう。
ラウンジスペース
スリーレッグ チェア。オリジナルでは30万円以上もするがリプロではそれなりで購入することが出来ます。リプロにもグレードがあるが、これは比較的良いグレードのものにしました。
あまり安いと粗悪品だったりするので信頼できるものを選定。
スツールはシンプルなものを選びました。
この部屋で一番の主役がバルセロナテーブル。1メートル四方のガラスとベースの金属は溶接のあとが分からないくらい仕上げが綺麗なデザイン。
照明器具
先ほど照明器具はバリエーションが欲しいと言いましたが、たまたま見かけて購入を決めたのは飾りランプ。光量があまり強く無いので演出用ですね。
足元に設置したら、割と全体が明るくなるので地面用に。
PC用のチェアも輝いています。
おまけ
デザイナーは客観視するため壁に貼って引いて見ることがありますが、コンクリート壁ならテープ跡がついてもお構いなし!
本棚も全部背表紙にするのではなく、こうやって表紙が好きな本を前に。
これだけでなかなかオシャレっぽくなれます。
いかがだったでしょうか?
ここまでやって50万円以下(正確な数字は言えなくて)ならばお得感があるのではないでしょうか。
↑これが
↑こうなりました
今回は50万円以内で出来る範囲内で全体的にD.I.Yをして安価に抑えた事例でした(本人に頑張ってもらった)。僕の考え方は、相手が満足してくれる事だけを目標にして作っていますので、顧客満足度を高めると結果的に僕の収入にも繋がる。というものです。