個人ブランディングって一体何をすれば良いのか?意識すべき4つの結論
こんにちは、ブランドビジネスを中心にインテリア、デザイナー、カメラマン、ブログなど好きなことを仕事にしているタカシマリョウです。
これからは個人の時代へとシフトしていくと言われていますよね。そこでよく聞く言葉、個人ブランディングとかセルフブランディングというキーワード。
自分をブランド化するために行う行為という感じでしょうか。
でも、個人ブランディングと言われても実際何をすれば良いのか分からないという方へ。
個人ブランディングって一体何をすれば良いのか?
もくじ
そもそもブランドとは一体なんなのか?
ブランドを調べてみるとこう書かれています。
ブランド(英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。
こんな感じ。なんか、ややこしい。
他と差別化をすれば良いのか?認識されるような個性を出すことなのか?イメージが良いことなのか?
少し合っているけど全然違います!
何を隠そうブランドとは「信用」のことなのです。
ブランドの本質は「信用」である。
世の中から評価されているブランドのロゴが付いた物を持つと誇らしいと感じ、反対に評価の低いブランドのロゴが付いた物を持つと恥ずかしいと感じる人がいる。
見た目をデザインする印象操作と勘違いしてはいけない。ブランドって信用の積み重ねだから。
— 好きなことで稼ぐ個人|タカシマ (@mrito1952) May 1, 2018
今回は、このつぶやきの真意をブランドの例を出しながら説明してみようかと思いますが、商品を自分(個人)だと思って読んでみてください。
商品には価値が3つある
以前、僕は年間の売上高700億円ほどのアパレル企業に勤めていて社内のブランドに関わっていましたが、社内にブランドとは何か?という共通認識は不思議なことにありませんでした。
そこでブランドとは一体なんなのか?と毎日のように考えたり分析していました。
アパレル(服)業界にいると見失う落とし穴
当時、色々なブランドを見てみました。その中でもヒントになったのがスニーカーブランドとアウトドアブランドです。
シューズもアウトドア用品に共通する重要な価値があります。それは、用途の価値です。
使用用途が前提にあるので、シューズは歩きやすくなければいけないし、アウトドア用品は寒いところでは暖かくなくてはいけません。
要するに機能に価値があるんですよ。
さらにいうと、歩いていてすぐ壊れたらいけない、寒い場所で服が破れたりするのはとても問題になります。
品質レベルが高いことに価値があることがわかりますよね。
こちらはアウトドアブランドのNORTH FACE。ヴィジュアルで機能性を見せています。
履きやすさをテクノロジーで感じる見せ方をしています。adisas。
patagonia。こちらも用途のことを説明しています。
一方、アパレルは雰囲気を重視しています。全く説明的ではないのはデザインで勝負しているので見たらわかるからです。(one day ALOHA STYLESって言われても意味わかんないでしょう?笑)
アパレル(服)の価値のほとんどがデザイン
自分が洋服を購入する決め手はなんでしょう?
お店に張り付いて考えました。ほとんどの人がデザインのみで決めているのです。アパレルでは約70%が衝動買いとも言われています。
つまり消費のほとんどはその場の気分で行なわれている。
着心地、快適さが良くてもダサかったら買わない、とても堅牢に作られていたとしてもダサかったら買わないのです。
「オシャレは我慢」と言われているくらい用途としての価値設計が低くデザインに価値を持つ業界なのです。
商品の価値は品質、機能、デザインの3点で構成されている
価値の要素に「価格」があるという考え方がありますが、僕は全く違うと思う。
安いことに魅力を感じて購入することがありますが、それは価値は価格の相対だということです。
例えば、
メルセデスベンツは機能が高い、品質が良い、デザインが美しい、この3点が高く設計されているので高額にも関わらず販売ができるのです。(図の左)
日本車は機能が高い、品質が良い、デザインはイマイチ、まあまあ価値が高いのにも関わらず価格が安いので圧倒的にコスパが良いとなるのです。(図の真ん中)
売れていないものは価値が創造できていないのにも関わらず自分たちだけが価格が適正だと思い込んでいる場合が多いのです。
このように価格というのは価値の結果なのです。
ということは、価値を大きくすることができれば価格を上げても売ることが出来るということなのです。
「ブランドの価値は信用」の理由
ブランドの本質は、先ほどから書いている商品(サービス)の価値と、ブランドが培った歴史によって生まれる信用のことです。
良いものを作り続ける実績
具体的にいうと、商品(サービス)の信用は「機能が備わり」「品質レベルが高く」「美しい(かっこいい、かわいい)デザイン」をブランドが作り続けることで、このブランドの物は良いものという価値が生まれてそれを続けていくことで信用に変わるのです。
ルイヴィトンと全く同じ機能と品質と遜色ないデザインの商品を作っても太刀打ちできないと想像できますよね。これは200年間に渡り良いものを作ってきた歴史が持つ信用の違いなのです。
それが1つ。
良いものだろうと推測できる実績
もう一つは「このブランドは〇〇だから良いものだ」という間接的な印象による信用です。
例えば、
時計のブランドとして有名なOMEGAは1965年に宇宙飛行士が月に行ったときに採用されたそうです。これによりOMEGAの時計は正確で、壊れにくいしっかりしたもの、という機能と品質の価値が情報によって表現されています。
そのほかにも時計ブランド競合のROREXは同じ時期に登山家が使用してエベレスト登頂に成功したり、海底100mでも使える防水機能など、性能の信用を得るための活動を行なっています。
文明堂のカステラが有名になったきっかけは1925年に皇室御用達のお菓子として愛されていたからだそうです。ほかにも福砂屋、松翁軒、異人堂、長崎堂など、とても美味しいカステラを作っているメーカーはありますが「カステラと言ったら文明堂」というポジションが出来ている文明堂には圧倒的なブランド力の優位性があります。
このように良いものだという実績やお墨付きが信用の価値を生んでいるのです。
個人ブランディングは信用を重ねること
結論としてまとめると、ブランドというのは雰囲気や見た目ではなく、良いものを作り続けて世の中から認められているという信用の高さが価値なのです。
いくらオシャレでカッコよくても、効果を期待したが機能しなかったものを買ってしまったらそのブランドの商品を次は買わないと思いますし、商品を買ってすぐ壊れたら同じく次は無い。それはとても信用を失っている行為なのです。
意識すべき4つの結論
それは個人でも全く一緒で、個人ブランディングをするのならば意識することは4点。
- 実質的な用途の価値を与えること
- 相手の期待を叶えられること
- それらの継続が出来ること
- 権威からのお墨付きを持つこと(オプション)
この4点に繋がるような活動をすることを強くオススメします。
もっと簡単にいうと自分が良いと思うことをやるのではなく、ターゲットに向けた価値を創造しようぜ!ってことです。
ブランディングとか言って見た目だけカッコよくサイトデザインしたり、プロフィール写真にこだわったり、印象操作をしても全然ダメだからね!っていう話でした。このブログも価値を提供し続けて多くの人に見られなくてはいけないって事なんですよ!